KIメールマガジン『COMPASS』NO.129

2012年12月

2012年12月1日/NO.129

「職場で自律化を促すきっかけづくり」

KIメールマガジン読者のみなさま

 師走にはいり、何かと気ぜわしいこの頃となりましたが、皆様はいかがでしょうか。

 最近、お客様先で打合せをしていると、「自律型人材の育成」がキーワードとして挙がることが
非常に多くなっています。
 お客様の立場は様々ありますが、グローバル化で多様な文化、価値観の中で業務遂行していくこ
とや、お客様に対して課題設定から解決策提案型スタイルへの変革が必要な経営課題を背景に自律
型人材(自分で考え、行動する人材)が求められていることを感じます。

 今回は職場で自律化を促すことについて考えてみましょう。

1.自律化を促す難しさ
 自律的な人材になって欲しいと考えた時、どのような人を対象として思い浮かべるでしょうか。
若手や経験の浅い人でしょうか。指示したことはしっかりやってくれるが、自分で考え動いてもら
えるともっと良い・・と捉えると何も若手に限った話ではないかもしれません。
 皆様の職場では自律化にどのように取り組んでおられるでしょうか。
 私自身の経験を振り返ってみますと、「自律的になって(もっと自分で考えて行動して)」と言
われたことはありますが、なかなか急に変わることができず、どうやっていいのか戸惑ったように
思います。
 自律化は本人の取り組みの姿勢であり、スキルなどやり方を学ぶのとは別の難しさがあります。
 言われたことをきちんとやる姿勢からの変革が必要です。そのため、他者が外側から促すことは
難しい一面があります。

2.1人ひとりの問題意識をきっかけに自律化を促す
 この悩ましい自律化の促進ですが、私は自律化を促す入り口は、1人ひとりに問題意識を持って
もらうことがきっかけとして効果的だと考えています。仕事の進め方など現状に対する違和感や困
りごとでも構いません。自分の困りごとの解決が行動につながりやすいものです。

3. "悪さ"を明確にすること ~"属人化"は善か悪か~
 問題意識を持つ際に重要になるのは、何が"悪さ"なのかを明らかにすることです。
 例えば、お客様先でコンサルティングをしていますと、よく"属人化している"ことが問題に挙が
り、業務やノウハウが特定の人にのみ集中し、他の方の代替が利きにくい状態であることがあります。
 このようにやり玉に挙がりやすい属人化ですが、ではいったい何が問題なのでしょうか。
 本当に悪い状態なのでしょうか。
 企業において人材力、組織力を高めるプロセスにおいては、属人化につながることを目指す場合も
あります。例えば、新入社員が経験を積み専門性を高めていく過程でその人にしかできない業務が
生まれることも出てきます。また、売上拡大を目指す局面で、外部の協力会社から即戦力になる人
材に繰り返し継続して参画してもらう結果、その人に業務ノウハウ等が属人化していくこともあり
ます。
 属人化状態一つをとってみても、人によって問題とも強みとも捉えることができます。そのため、
職場やお客様先などでよく言われている問題や課題も、実は本当の悪さは何なのかを自分なりに考
えを持つ必要があります。また問題を他者と共通認識にするためには具体化、深堀も必要になりま
す。このような点を留意しながら、個々人の問題意識を自律化促進に生かしていきます。

4.どのような組織をつくりたいのか
 一方で、個人の問題意識を問題として取り上げると、「それは部門の目標や業績にどんな意味が
あるのか」「そんなものを取り上げるのはどういうものか」と、上位者から指摘を受けることがあ
ります。
 この時に大切にしたいのは、上位者は部下が発した問題意識を自律化の入口として、潰さずに生
かす視点と、その個人の問題意識を上司など周囲が組織の問題の中に位置づけていく関わりを持つ
ことです。
 人材の自律化は一朝一夕に実現できるものではありません。それは組織文化や仕事の仕方と絡ん
でいるため、トップやマネジャーが、どのような組織を作りたいのかが重要になります。
 目標達成に向けて指示が通りしっかり実行する組織を作りたいのか、あるいは1人ひとりが自ら
問題意識を持ち、解決に向けて試行錯誤を重ねる組織を作りたいのか・・。
 組織様々な局面や対象となる人材の状態に応じて柔軟に考えていく必要があると思います。

 今回は、自律化を促すというキーワードで一つの考え方としてご紹介しました。
 皆様の組織力向上を考える際のきっかけになれば幸いです。

来年も皆様にとって素晴らしい年でありますように心よりお祈り申し上げます。 

(文責 堀 毅之)


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