KIメールマガジン『COMPASS』NO.126

2012年9月

2012年9月1日/NO.126

「開発設計業務スピードアップの鍵は「見える化」
- 「見える化」は、開発設計業務変革の第一歩 -」

KIメールマガジン読者のみなさま

まだ毎日暑い日が続いていますが、KIメールマガジン読者のみなさまにおかれましては
元気にお仕事に励まれていることと思います。
今回は、開発設計部門での永遠の課題である開発設計業務のスピードアップを
「見える化」と「判断業務」という2つの要素で考えてみたいと思います。

◆開発設計部門の悩み
「いつも混乱した状態が続いている、計画がズルズル遅れる、手戻り/やり直しが多く非効率な
業務遂行になっている。」ある開発設計部門のマネジャーや担当者の切実な悩みです。
しかしこれは特殊な例ではなく、アンケート調査などで設問として設定すると、ハイスコアーで
問題認識される開発設計部門で共通にみられる事象です。
開発設計部門では開発設計業務の効率化やスピードアップを図りたいというニーズは現在でも
根強く存在しています。

◆開発設計部門の業務の特徴は「連続する判断業務」
開発設計業務の特徴を一言で表せば「連続する判断業務」と言えます。
例えば、人工臓器の開発設計では、人工心臓抗血栓材料の選定、溶血を起こさない血液濾過措置
限界陽圧の上限値など高度な「判断」を都度求められるのが開発設計業務です。
従って開発設計業務のスピードアップは「判断業務」をいかにスピーディーに実施できるかで
決まります。
では、「判断業務」のスピードアップはどのように図ればよいでしょうか?

◆開発設計業務を「見える化」することが「判断業務」のスピードアップにつながる
開発設計業務は、「問題解決」やそのための「判断業務」といった通常頭の中で実施する思考
業務が中心です。
従ってその対象は、見えなかったり、見えにくかったりする場合が多く、他者からは支援したくても
何を支援したらいいのか分からないために素早いアクションがとれず、結果として「判断」に時間が
かかり、場合によっては「判断」を間違えてやり直しに至り、無駄な工数の発生や期限延長と
いった事態に至ってしまいます。
「見える化」は「判断業務」のスピードアップには必要不可欠な要素です。

◆「見える化」の対象は多様であり、これらを「見える化」することでのメリットは大きい
では、見える化の対象にはどのようなものがあるのでしょうか?
開発設計業務での「見える化」の対象は様々です。
背景、狙い、目的、対象範囲、役割立場、与件/前提条件、目標、課題、施策、 課題の検討プロ
セス、判断根拠、困り事、課題意識、思考方法、思い等、多岐にわたります。
開発設計業務の上手な遂行や、改善/革新的な活動への取り組み等、開発設計部門を良い方向へ
変えようとしてマネジャーを始め担当者のみなさんは色々な施策を打っていますが、なかなか決定
打に結びついていません。
また、マネジャーも部下にどのような支援をしたらいいかを考えているが、思うように実施できて
いません。
上手くいかない最大の要因は、開発設計業務が「見えにくい」という特性を有していることに起因
しています。
例えば、数人に「青いもの」を探して下さいとお願いしたとしましょう。
おそらく3~4の青と認識される色を指し示してくれると思います。
そこで示された「青」は「淡い青」であったり、「濃い青」であったり「くすんだ青」であったりと様々な
「青」です。
数人の方が選んでくれた「青」について、正しいか間違いかと言われれば、それは正しいといえます。
しかし厳密に見てみるとある特定の「青」を限度見本として選定し、この「青」と同じ「青」を探して
くださいとお願いした場合、他の「青」は要求を満たしているとはいえなくなります。
このような状態が実は、開発設計部門で業務遂行している時によく遭遇する状態なのです。
要は、見える状態にしてどう見ても、考えても間違いようのない状態(「見える化」)をつくり、
メンバー間でボタンのかけ違いのない状態をつくりあげることが開発設計部門での上手な業務遂行、
改善/革新推進を実現する上で重要なことです。
以上を踏まえて「見える化」のメリットを考えてみると大きく2つありそうです。

◆1つ目のメリット
「見える化」の1つ目のメリットは開発設計業務でのロス削減です。
開発設計業務推進の鍵は計画ですが、計画の内容が見えるようになることで計画立案力が向上
します。
目標、現状、課題、施策などの実施すべき内容とその実現性が見えるようになれば、
「ヌケ/モレが減少→やり直し/手戻りが減少→ロス工数が減少」の流れが実現します。
更にこれらの機能を組織として有効に機能させることで、より効果がアップします。

◆2つ目のメリット
日常業務で計画の内容が見えるようになると、マネジャーやベテラン(有識者)の支援が受けやすくなり
その結果「判断業務」のスピードが上がります。
これを如実に表す事例としてベテランと若手の「判断業務」処理を考えてみましょう。
ベテランが判断すれば、数秒で「解」がでるところ、若手が「解」を出そうとすると膨大な工数と期間を
要することは、よく経験することです。

◆「見える化」は、開発設計業務変革の第一歩です
「見える化」は開発設計業務スピードアップに対しての必要条件であり、十分条件として「判断業務」の
スピードアップが実現します。
「見える化」は、開発設計業務変革の第一歩です。
以上説明してきた事柄を効率的、かつ効果的に実施するために「KI(Knowledge Intensive Staff Innovation
Plan)」手法の活用をお勧めします。
KI活動は「見える計画」、「ワイガヤミーティング」、「合意と納得」、「Y(やったこと)W(わかったこと)
T(次にやること)での振り返り」によって、仕事の進め方を革新していくものです。
「見える計画」で計画の「見える化」を是非一度体感していただければと思います。
また、すでにKIを実践されている方には、「判断業務」のスピードアップを意識して実践いただければ、
また新たな気づきが得られることと思います。


(文責 瀬尾 真一)

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