KIメールマガジン『COMPASS』NO.124

2012年7月

2012年7月1日/NO.124

「梅雨は仕込みの季節」

KIメールマガジン読者のみなさま

どうも梅雨時々台風という天候ですが、このような時に少しでも楽しく過ごすコツは
仕込みにあります。
人は何かを仕込むと結果への期待が高まり楽しさを感じるようになります。
今月は、今の季節にふさわしいものを仕込みたいと思います。

最近よく聞く言葉に、政治・経済の混乱と低迷とか、失われた20年、更には
第2の敗戦、などがあります。
このような言葉を聞かされていますと、この状態を何とか革新しなくてはならないの
ではと思うのは、よく分かります。
ここでいう革新とは制度や組織に本質的な変革を加え、新しくすることです。
では、変えるべき組織の本質とは一体何でしょうか。
街の書店では「失敗の本質」*という書籍やその関連本**が賑やかです。
これらの書籍の中で、旧日本軍の組織的な行動の特徴が分析され、その特徴が
現在の組織の中にもよく見受けられると書かれています。
組織的な特徴としては、3つ挙げられています。

一つめは、仲間内だけでの意志決定を行い、意向にそぐわない意見は無視すると
いう意思決定の閉鎖性。
二つめは、成果への合理性より動機や意気込みを偏重する非科学的(精神論的)
な方策決定。
三つめは、過去に上手くいった行動パターンへの無批判な依存による形式主義的
な行動です。

この3つは旧日本軍の行動の特徴と分析されていますが、私たちの組織にも
よく当てはまってはいませんか。
私たちは所属する組織の常識(パラダイム)に強く縛られており、考えているようで
十分には考えていません。
まさに「思考停止状態」とも言えるのです。
この3つの行動特徴が先の失敗(敗戦)を招いたということですが、「失敗の本質」
にはもう一つ隠された大きな示唆があります。
それは、「過去を振り返らないことで失敗を招く」ということです。
私たちは過去のことよりも、これからのことに興味を引かれ、価値を感じているようです。
私たちは振り返えるということがとても苦手なようです。
失敗については尚更です。

これらのことは"愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ"や、"人間が歴史から学んだことは、
歴史から何も学んでないということだ"、という古人の箴言からも理解されると思います。
しかし、苦手ゆえにこの能力を強化していけば、それは私たちが現在必要としている差異化
の原動力となるはずです。
これからの市場の変化は、間違いなくスピードと複雑さを増していきます。
今、市場の変化についていけない、リスク管理がうまく出来ない、問題をこじらせて解決
出来ない、などという現場からの声をよく聞きます。
このような時こそ、リーダーとメンバーが一人一人の振り返りにより気づき意識を高め、
自分たちが陥っている「思考停止状態」から解き放されなければなりません。
このことが現場での日々の変革を積み重ねる原動力となります。
このことにより現場は活性化し、ひいてはそれが組織の発展を推し進める大きな力と
なっていきます。
今がそのチャンスです。
そのためにも、組織の全員が各々の持ち場で変化をキチンと捉えなくてはいけません。
振り返ることによって、はじめて変化はスカラーではなく、ベクトルとして捉えられるのです。
変化をベクトルとして捉えることによって、起きている変化の方向を知れば、それをチャンスと
して掴まえることができます。
変化をチャンスとして生かす振り返りの意識を、常に持って行動することが肝心なのです。

さて、いよいよロンドン・オリンピックも近づいて来ました。
先日放映されたサンデル教授の白熱教室でオリンピックに因んで、努力と才能どちらに
魅力を感じるか、という討論をやっていました。
例のごとく結論は出されていませんでしたが、才能は選ばれるもの、努力は創り出すもの
だと思います。
オリンピックは、努力が才能に挑戦する場でもあり、それが私たちの感動を呼び起こします。
努力と才能、ともに尊いものですが、振り返りは努力以外の何ものでもありません。
この努力を、是非、習慣化したいものです。あなたはこの季節、何を仕込みますか?


(文責 井戸 幸彦)

参考文献:
*「失敗の本質」中央公論社:戸部良一 他
**「「超」入門 失敗の本質」ダイヤモンド社:鈴木 博毅
「検証 失敗の本質」ダイヤモンド社:HBR 2012年01月号


======================================
= セミナー案内 ==============================
======================================

7月20日開催 「職場変革プログラムKI」体感 ワークショップ    
~想い×繋がり⇒卓越したチーム力で突き抜けたものづくり~

「一人ひとりは忙しく頑張っているが、組織としての目標達成や次のビジネス創出に
つながっていない!」、「現場は行き当たりばったりで日常はドタバタしており、疲弊感が
蔓延している!」 というようなお悩みを抱えていませんか?

製造業やサービス業など200社以上の企業で導入されてきた 「職場の変革プログラムKI」は
進化し続けています。
今回のセミナーでは、現在、製造業で最も求められていることは「革新への想い」と
「人の繋がり」と捉え、KIの考え方紹介とワークショップを通じ、組織に小さな奇跡をもたらす
"想いの共有"と"つながりの兆し""気づき"を体感していただきます。


7月25日開催 「べテラン人材のキャリアとノウハウを活かす人材力発揮のポイント」交流会2
        ~ベテラン人材を抱える職場のマネジメントのコツを探る~

65歳迄の雇用確保が求められる中、ベテラン社員(概ね55歳以上の方、再雇用の方など)を
職場の中でどのように活用していくかについて、ベテラン社員の多様性や持ち味に着眼し、
また事例を交えながら、そのマネジメントのコツを探ります。


7月30日開催 事業変革を発信する研究所とは                          
          ~研究所マネジメント変革と研究員行動変革の融合によって事業を変える~

研究所主導による事業変革は、様々な企業で挑戦されてきました。
しかし、決定的な解はなく、多くの研究所の重要課題として挙げられています。
今回の交流会では、研究所変革の考え方を元研究所幹部、企画部門幹部によるアドバイスを
基に、研究所変革の新しい方向性を考えます。

7月31日開催 運営から改革への思考転換・行動変革   
~想定外と言わない組織を作るAPATマネジメント~
  
「事業にブレークスルーが起きない。事業がじり貧になっていく」ことや、「組織を越えた取組みが
進まない」ことなど、気になることはありませんか?

日本経済同様に多くの企業が閉塞感や次々に起きる想定外の出来事に苦しむ現在、想定外を
想定し、閉塞感を打ち破る部長のマネジメント手法を紹介します。


======================================
メールマガジンの配信停止のご連絡、
また、ご意見・ご感想などございましたら、下記アドレスまでご連絡ください。

◇日本能率協会コンサルティング KIセンター◇
E-mail:ki_jmac@jmac.co.jp