KIメールマガジン『COMPASS』NO.102

2010年8月

2010年8月1日/NO.102


あるマネージャの悩み:チームワーク強化への挑戦



KIメールマガジン読者のみなさま

サッカーのワールドカップ2010も終わり、ようやく梅雨も明けましたが、猛暑と100年に一度の不況が続いています。いかがおすごしでしょうか? 
この厳しい状況を乗り越えていくためには、やはり、サッカーでなくともチームワークが大切な要素となります。今回のメルマガでは、一人のマネージャのチームワーク構築に向けたリアルな思いを皆様に届けたいと思います。

「どうしてこんなに忙しいのか。やってもやっても仕事は減らず却って増えるようだ。同じようなトラブルで対応におわれる毎日。下ももう少しチャンと考えて仕事をやってくれ。」
「何度言っても分からないメンバーもいる。やっぱりセンスの問題か。」
「上司や管理部門からは仕事や雑用がドンドン降りてくる。電子メールは洪水状態、見る気もしない。」
「先も見えず、疲れがとれない。上は組織変更ばかり、何とかしてくれ。」

これが偽らざるマネージャの気持ち。
このマネージャも、自分の仕事の進め方にも問題があること、また、部下とのチームワークに問題があることにうすうす気がついてはいる。
しかし、技術エンジニアは、本人の技術的センスで仕事をするのが第一。それを磨き強化するのが重要な業務推進のファクター。
チームワークの強化はその次、あったほうがいいが補助手段だと考えている。
エンジニアのチームワークを強化し向上させる手法。そんなものが世の中にあるのかどうかもよく分からない。

メンバーの仕事への気づきも同様。仕事の中でどうやって部下に気づきを与えたらいいのか。
マネージャ自身、これまでもいろいろな研修に参加し、いわゆる問題解決の手法を各種学んだ。
しかし、いろいろやってみて、重要なのは問題解決手法もさることながら、何が本当に解決すべき問題なのかに気づくことが重要だと考えるようになった。現場での解決すべき問題が把握出来て初めて問題解決法が役に立つのではないか。
思いは高まっても、問題への気づきにアプローチする研修には中々めぐり合えていない。

そんな中、たまたまJMACの技術KIプログラムに出会った。
このプログラムはエンジニアのチームワークとメンバーの気づきを謳っている珍しいプログラムである。
技術KIの参考書であるJMACの岡田幹雄氏の"技術者の知的生産性向上"を読んでみて、その内容が開発現場の状況を的確に捉え分析していることに驚く。
それまでの自らの現場の実感に即していることにも強く共感を覚え、技術KIプログラムへの期待は大きくなった。はたしてこのプログラムの効果はどうであろうか?成果は期待できるのであろうか? チームワークは本当に良くなるのであろうか?

期待を胸に技術KI活動をスタートする。メンバーは、皆、やらされ感からスタートする。
技術KIなどどんなものかも全く知らないから当然である。これが納得感につながっていかなくてはいけない。そのためには、まず、技術KIを理解し心を開くフェーズが必要である。
それが2日間の導入研修であり、どこまで心を開き本音が飛び出すかがポイントとなる。
技術KI活動は、まず、ここで決まると思う。掌を開かなくては物は掴めないし、心を開かなくては事は掴めない。活動が心を開く場にならなくてはいけない。

さて、チームワークを強化するにはどうすれば良いのでであろうか。
A.マズローの欲求段階説を参考にして考えてみる。
メンバーが自らチームを感じる状態は、A.マズローの欲求第3段階:所属・愛情欲求でである。そこへ行くためには、まず、第1段階:生理的な要求、疲れたら休める状況になっていなくてはならない。
また、第2段階:安全・安定の欲求、即ち、予測不能で混沌な状態も克服される必要がある。
自分達のチームはこのような状態を満足しているだろうか。メンバーが、毎日、突発業務に追われ、計画はあってなしの状態。そして、休みが必要な時に休めないのでは、この第1と第2の段階を満足しているとは言えない。この状態のチームは、たまたま同じ電車に乗り合わせた人たち程度の集まりで、席の譲り合い位はするかもしれないが、それ以上の協力は望むべくもない。

この状態を打破するためには、各々のメンバーの業務状態を共有化し、休みも含めて毎日の業務を自ら回せるようになっていなくてはならない。
これはチームメンバーの目的と行動がメンバー全員に見えて共有化されている状態である。
この状態になって初めてメンバーの間に合理的な気づきや協力の意識が芽生える。
これをするのが技術KIの見える計画作り:日程表の作成である。

日程表の作成・運用が出来るようになるとメンバー間のチーム意識が高まってくるのが分かる。
なぜなら、チームとしての達成目標・向上目標にメンバーの関心が集まるようになるから。
これが第4段階の承認・尊厳欲求につながるのだと考える。
そしてここからが、期待しているチームワークの強化となってくる。また、この辺りから、技術KIで気づきを促すYWTがその真価を発揮するようになる。
PDCAは計画目標を超えていくことを意識していないが、YWTは超えていく。

1年間、実際に技術KI活動をやってみて結果はどうであったか。
活動をやる決断とその準備、活動を軌道に乗せるのには多少の時間が掛かったが、結果は期待以上であった。チーム内のコミュニケーションの質の向上をはじめメンバーの気づきを促すのに、日程表の作成は大変効果があった。具体的には、突発業務への対応や手戻り作業の改善などがあるが、何といっても、メンバーが課題を明確にして業務に取り組み、各自がただ温めているだけであった改善のアイデアを仕事に反映させるようになったのが大きい。

そして、現在の問題はその先にある。この技術KIのプログラムの終了後も、活動の雰囲気の維持と更なる向上を目指して行きたい。すなわち、チームの自律自走を継続するためにはこの技術KI活動自体を、より一層自分たちの中で楽しく回していく必要がある。
その方策、これが現在の課題である。マネージャの悩みは尽きない。

いかがでしたでしょうか。マネージャの熱い思いは届いたでしょうか。
ビジネスの世界ではNo.1か2でなくては、生きていけないと言われています。
つまり我々は否応なしに、グローバルなワールドカップのピッチに立たされているのです。
そこで必要とされるものは何か。いろいろあると思います。が、その一つに創造的で強靭なチームワークがあるのは間違いありません。
今回はここまでですが、技術KI活動についてより具体的にお知りにないたい方は、以下の無料セミナーに
ご参加ください。

以上

(文責 井戸 幸彦)

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HRD JAPAN 第30回大会(9/8~9/10:東京国際フォーラム)にて、「人と組織の能力を最大発揮する職場づくり革新」と題し、プレゼンテーションセミナーを開催いたします。
無料でご参加いただけますので、KI活動にご興味のある方は、是非この機会にお申込みください。

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また、弊社が主催いたします、2010度のKI-EXPOは、12月7日 東京ステーションコンファレンスにて、開催の予定です。詳細が決まりましたら、改めて皆様に紹介いたします。

<用語説明>
*KI:(Knowledge Intensive Staff Innovation Plan)は、 組織において知的労働に従事する人々を活性化す
  ると同時に、 チームとしてビジネス成果を出し続ける知的生産性の高い集団に変革するというものです。
  特に技術者集団に焦点を当てたものが「技術KI」です。
*YWT:(Y)やったこと(W)分かったこと(T)次にやること。KI活動の振り返り手法の一つ。
*PDCA:デミング博士の提唱する業務管理手法の一つ(plan-do-check-act cycle)。


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