KIメールマガジン『COMPASS』NO.101

2010年7月

2010年7月1日/NO.101


納得感"が行動を生む ~聴く力の活用法~



KIメールマガジン読者のみなさま

初夏の候、蒸し暑い日が続きますが皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
最近では多くの企業でクールビズが定着し、6月に入り職場では軽装でお仕事をされる姿が
目立ってきました。
今日は組織の中で「合意と納得のマネジメント」を高め、メンバーの力を引き出す「聴く力」の
活用法をお伝えします。

KI活動をご支援させていただくと、活動に先駆けた事前インタビューや導入研修、役職者と
のミーティングの場面でこんな声を耳にします。

○マネジャーの方々(部長、課長)
 「リーダーには自分達がどうなりたいか、どうしたいかを持ってほしい。」
 「若手のモチベーションが低い。」
 「リーダーやメンバーの納得感を高めるのに苦労する。」

○リーダーの方々(チームリーダー)
 「チームメンバーの育成、管理を任されているが時間を取られる。十分できていない。」
 「若手メンバーはコミュニケーション力が低い。会話のキャッチボールがうまくできない。」

○メンバーの方々
 「上司とゆっくり話す機会がない。効率化を重視するあまり上司が話を聞いてくれない。」
 「意見を押し付けられる。断片的な情報しか下りてこない。」

また一方、職場では職位が上がるほど、自分の管掌範囲が広がり仕事に追われ対話の時
間がとりにくくなっているという実情もあるようです。

このような現状がある中で、何とか目標達成に向かって組織の力を活かしながら試行錯誤
するわけですが、マネジャーやリーダーの立場からすると、
できれば、「メンバーが多少、経験不足や失敗があっても自発的に意見を出してくれる、
トライしてくれるといいのに」や「すべてにおいて自分が気にして関わることはできないので、
ある程度メンバーに任せられるようになるといいのに」とお考えになるのではないでしょうか。

そうは言ってみても、無論、マネジャーやリーダーにも、「自分でもやった方がいいことはいく
つも頭の片隅にあるのだが取り組む時間が無い」といったことや、「限られた時間の中でつい
結論を急いでしまい、会議などでは自分に必要な情報収集をしてしまう。要点のみの指示、
アドバイスをしがちになってしまう」「本来、対話の時間を取った方が良いとは思いつつも、
効率を意識してしまう」そんな悩ましい光景が見え隠れします。

そこで試していただきたいのが「聴く」ことです。
誰もができる方法でありながら、普段あまり意識されにくいものでもあります。
対話の中で「聴く」こと意識することによって、相手の"納得感"を高めることができるようにな
ります。

ここからお伝えするのは、日々の限られた対話の場を活用してメンバーの力を効果的に引き
出すため「聴く力」について8つに分けてお伝えします。

ここで大事にしたい狙いは、
・ 相手にいつもより多く語ってもらうこと
・ 対話することでスッキリしてもらうこと
・ アクションを決めることをラクにすること
です。

その狙いを達成するための聴き方の工夫として、以下のステップで対話してみることを提案
します。
定例の振り返りの場や課題を共有するミーティングなどにおいて、皆さんのような上位者が
メンバーAさんに投げかける例です。

◆まず、語ってもらう3-Step
 Step1  ○○の件、Aさんはどう思う?
          [オープンクエスチョンで聴く]
 Step2  いまの話、もう少し聴かせてくれない?
          [更に聴く]
 Step3  いま言ってくれたのはこういう理解で合っているかな?
          [理解を確認する]

◆次に、内容を深める2-Step
 Step4  そうだね。そういう考えはあるね。それを達成するにはどうしたらいいかな?
          [実現方法、アクションを聴く]
 Step5  Aさんの話を聴いて思ったんだけど、こんなことも考えてみたらどうかな?
 [上位者の自分が相手に考えて欲しいこと、相手の考えに足りない点を提案形で伝える]

◆最後に、具体化につなげる3-Step
 Step6  いままでの話を進める上で気になることあるかな?
          [実行上の懸念、不安を聴く(感情を聴く)]
 Step7  取り組むとしたらいつまでにできるかな?
          [アクションと時期を具体化する、合意する]
 Step8  じゃあお願いできるだろうか?
          [明確に依頼する]
 これ以降は、相手に実践してもらい、振り返りにつなげる

この対話を実践する際のポイントとしては、
・ 相手との会話のキャッチボールを意識する
・ 相手が発した言葉、その意味合いに意識を向ける
・ 相手から発言がスムーズに出てこなくても、充分に待つ
といったことが挙げられます。

もちろん、職場のコミュニケーションでは、相手の考えを引き出すことだけが求められるわけ
ではありません。
よって、その時々の対話の位置づけ、ねらいに応じて活用することが大切になります。

このメルマガを読まれている方は、職場の中で日々、様々な実践をされていることと思います。
今日ご紹介したこの方法が活用できそうだと思っていただけたら、ぜひ次のミーティングの場
などで試してみてください。

相手の経験量や活性度によってサジ加減を忘れずに。

KI活動のご支援を通じて、"納得感"が高まれば行動につながりやすい、行動につながれば
変化しやすいと実感しています。

蒸し暑い日が続いておりますが、お身体ご自愛ください。

以上

(文責 堀 毅之)

<参考文献>
日本能率協会コンサルティング[著] 2009
「部下」と「チーム」がどんどん動き出す!人を伸ばす「聴く力」(日本能率協会マネジメントセンター)

<用語説明>
★KI
KI(Knowledge Intensive Staff Innovation Plan)は、 組織において知的労働に従事する人
々を活性化すると同時に、 チームとしてビジネス成果を出し続ける知的生産性の高い集団に
変革するというものです。特に技術者集団に焦点を当てたものが「技術KI」です。

★3つのイノベーション
KIでは日常を変えていくために、
「見える計画」、「ワイガヤミーティング」、「合意と納得のマネジメント」を実践していく。
これらを『3つのイノベーション』と呼びます。


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