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物流コスト改善(Logistics cost improvement)

 物流コスト改善とは、その言葉通り物流に関連する諸コストを低減するための活動を指す。改善を行うには、物流コストの定義の明確化や、現状把握を十分に行うことが先決となる。すなわち物流領域別、原価要素別、物流機能別にコストの構造を把握し、問題点と課題を設定して重点化を図る。
現状分析が終わり、具体的な改善を行う段階では、以下の3つの改善視点から見直しを行うことが必要である。

(1)物流の契約単価や方式の見直し
 協力会社・派遣会社等との契約単価や方式の見直しおよび委託事業者の変更である。具体的には、査定による契約単価の改定、公開入札(BID)による定期的な取引業者の評価・再契約、物流の外注化・内製化・3PLへの業務委託などがあげられる。

(2)物流業務の生産性改善や業務プロセスの改善
 運送・倉庫(荷役保管)など物流各機能それぞれについて、改善により効率を高める事である。具体的には、輸配送であれば、積載効率や車両回転数の向上、車両稼働率の向上など、荷役であれば作業生産性や作業品質の向上など、保管であれば、間口効率の向上、保管レイアウトの見直しなどがあげられる。

(3)ロジスティクスネットワーク構造変革の観点からの見直し
 企業内外のロジスティクス・サプライチェーン構造の見直しに踏み込む改革である。具体的には、物流拠点設計・拠点統合、需給プロセス見直しによる在庫削減、販売チャネル再編・流通ネットワークの構築による物流構造の見直し、共同配送化の推進、ミルクランやVMI方式の導入などがあげられる。この観点からの見直しでは、他部門や他社の巻き込みを行うため大幅な物流コストの削減が望める。
 一方で、利害が異なる関係する企業や担当部署が増えるため、強力なトップダウンでのプロジェクト推進が必要不可欠となる。

■関連用語
 物流拠点設計