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ワークサンプリング/稼働分析(work sampling)

 ワークサンプリングとは、作業者の作業や設備の状態の発生比率を把握する稼働分析の一つである。
 ワークサンプリングは、人や機械の稼動状態および仕事の種類などを瞬間的に観測し、それらの観測の積み重ねによって、各観測項目の時間構成や、その推移状況などを統計的に推測する方法で、以下の3つをねらいとするときに有効な手法である。

  1. ロスを定量化して改善のための対象を絞り込む
  2. 生産性向上の余地を概括的に把握する
  3. おおよその各作業、状態の時間値を把握する

 ワークサンプリングのやり方は、乱数表などを使ってあらかじめ観測時刻を設定し、その時刻に作業者や設備の状態がどうであったかを記録(サンプリング)し、最終的にそのサンプルを集計して発生割合を求める。
 たとえば、1回目9:32、2回目10:08、3回目10:41・・・・・・、とランダムに観測時刻を決め、その時刻で観測したときの作業者の状況を「加工」「検査」「打合せ」「手待ち」「歩行」「運搬」といったように記録する。観測回数(サンプル数)は統計的見地から必要数(N数)を設定してワークサンプリングを行うため、一定の信頼度のもとで現場実態にあった調査結果を導きだすことが可能となる。
 ワークサンプリングは工場全体の稼働状況を広く把握したい、作業者全員の作業状況を広く把握したい、といった場合に非常に有効な分析手法である。

(文責:JMACコンサルタント 小田 哲)