お問い合わせ

方針管理・目標管理

 方針管理とは、日本科学技術連盟の定義では「経営方針に基づき、中・長期経営計画や短期経営方針を定め、それらを効率的に達成するために、企業組織全体の協力の下に行われる活動」と説明されている。もともとTQC、TQMにおけるマネジメント手法として整備されてきたものである。

 中長期計画と連動した年度計画を策定し、年度計画を達成するために、方針、目標、施策を部門長から課長、職場長、リーダー、メンバーと連鎖させながらブレークダウンをしていく。その後、年間を通じて、各レベルでの方針、目標、施策の実行計画にもとづき実施状況を管理し、着実に施策を実行しながら方針、目標を達成していくものである。

 また、方針管理では、限られた資源(資金、人、設備 など)を有効に使うために、やるべきことの重点化を行う。中長期計画から年度計画を策定するときに、その年の重点実施事項を明確にし、ブレークダウンをすることで、総花的な活動になることを防いでいく。

 目標管理は、1950年代にドラッカーが提唱したものといわれており、従業員一人ひとりが目標を持って生き生きと仕事をすることを目指して整備された手法である。従業員に目標を持たせることで、自立的に主体性が発揮され、大きな成果を獲得できる、ということを狙っている。ただし、無理やり目標を持たせる形になると、ただのノルマ管理となってしまい、その運用には注意が必要である。英語では「MBO:Management by objectives」といい、目標による管理、つまり目標を持たせて、それを自立的に達成させるための管理、というのが目標管理というものといえる。

 目標管理は、一人ひとりが目標を決めそれを達成していくものなので、人事評価システムにも利用されることも多い。ただし、前述のとおりノルマ主義での評価システムになってしまうことが多く、かえってもともとの狙いの逆効果を生み出してしまう企業も多い。あくまでも、従業員の自立的行動を醸成することが狙いであるので、そのことをいつも念頭に運用していくことが重要である。

関連情報