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共同物流(Cooperative logistics)

 共同物流とは、複数企業の物流諸機能(保管・荷役・輸送・配送など)を共同で行うことを指している。
近年では共同物流が話題を集めているが、その背景には、量的な拡大が望めない社会・経済環境の中でのさらなるコストダウン要求、或いはトラックドライバー不足が深刻化する状況下での供給保証ということがある。
物流の共同化と言っても、様々な共同化が存在する。それらを整理すると、主体となる企業の組合わせによって、大きく3つに区分することができる。

 第一は、同業種による共同化である。この場合には、荷量の集約による量的拡大のメリットをねらうことになる。共同輸配送、共同保管、共同受発注、ユニット標準化などの連携により、規模統合による効率化を追求する。荷扱い特性や輸送・配送先特性に類似性があれば、共同化の条件を整えやすいという特徴があり、従来の共同物流の主流となっている。拠点間の相互ラウンド運行、納品先荷量が少ないエリアでの共同配送などがその代表例となる。

 第二は、サプライチェーン全体の連携による共同化である。メーカー・卸・小売の流通三層が、在庫情報、販売情報、輸配送情報などを共有化して、生産から店頭販売までのプロセスを共同プラットフォームで運営していくことにより、効率化を追求する。本格的にこのパターンを志向する場合、物流インフラの大規模な改廃、新たな情報システムの構築、取引制度の変更などを伴うことになるため、各社間の調整を含め、実施の難易度は高いと言える。

 第三は、物流ネットワーク資産の活用による共同化である。これは主に物流事業者が、保有している資産・ノウハウを活用して各種物流サービスを創出し、単一企業が行うよりも安価な物流を提供することにより成立している。共同集荷、共配センター運営、納品代行など、業種業態に特化した高い専門能力を保有しているが故に実現可能となっている。