第5回 先の見えない時代、改革は必須となる!戦略の実現に向けたビジネスプロセス改革

飯田 真悟 (いいだ しんご) シニア・コンサルタント
公認会計士であった経験を活かし、会計・業務の両面による経営診断を手がけ、BPR手法による業務改革と中長期計画、予算管理、目標管理までを合わせた統合経営管理システムづくりによる事業戦略の実現を進める。中堅から大手企業まで、トップマネジメント、経営企画などの本社戦略中枢における問題解決パートナーとして信頼を得ている。

2009年、一層の体質強化は緊急課題となった

事業戦略を形に! BPRで企業を変える

日本企業の課題というと、以前は戦略の不在ということが指摘されていた。だが、現在では状況は少し先に進んでいるのだと飯田はいう。「バブル崩壊後、企業経営に対する反省から、組織や経営手法の見直しが行われ、戦略の重要性が叫ばれるようになりました。その大きな流れのなか、2000年以降に連結決算制度の導入など法制度面に変更が起きました。ソニーを皮切りに取締役会の改革が行われ、取締役会がグループ戦略を考えるという位置づけが明確化されたのです。こうした変化もあり、グループ戦略は不可欠なものという認識が多くの企業でなされるようになりました」企業全体を左右する“戦略”は、経営の中心である役員や本社が担当するものと考えられるようになったのだ。この結果、「いま戦略を持たない日本企業は、ほとんどなくなったのでは」と飯田は見ている。代わって課題となったのが、その戦略を本当に実行できるのか? ということだという。
「戦略の策定後は実行に移りますが、では、きちんとできているのかといえば、そう簡単な話ではありません。そもそも、立てられた戦略は実現できるレベルにブレークダウンされているかという根本的な問題を抱えているからです。こうした状況に対して “BPR”(Business Process Reengineering)という切り口で戦略の実現に向けた業務改革を実行してみてはどうだろうかというのが、JMACの提案なのです」しかも、昨今のM&Aや合併事例の増加によって、今後一層BPRの必要性が高まる方向にあるのだそうだ。

BPRを妨げる4つのポイント 日本企業の実態とは?

BPRそのものは、以前から経営改革の場にのぼる手法のひとつだった。しかし、BPRを手がけて成功した企業は多くはない「日本企業では、BPRは成功しづらいという現実があります。私たちが行った実態調査によると、計画を実行して予定した成果を出し、財務成果に結びつけているプロジェクトは約10%程度でした」そこに4つの原因があった。1つはトップの強いリーダーシップがないこと、2つめは事業戦略の目的を全社の共通認識としていないこと、3つめは長期的スパンで行われる構造改革と短期的に求められる成果の両立が難しいこと、4つめはIT活用が充分でないことだ。「なかでも、もっとも重要なのは、1つめの強いリーダーシップです。構造改革は、すべての部門にとって歓迎すべき結果になるとは限りません。経営最適のためには、損な役回りとなる部門も出るでしょう。人材の入れ替えも必要かもしれません。これら難題を解決できるのは、トップの強いリーダーシップしかいないのです」この問題は、日本企業にとって根深いものがある。「個々の能力や企業風土という以前に管理職の育成モデルとして、日本では強力なリーダーシップが成立しにくい面がありました。選抜方式や評価といった人事制度面から見ても、改革を実行できる人材を社内に求めるのは難しいという企業が多いのが現実だったのです」

カギはトップのリーダーシップ! 改革は危機感と理想の希求が牽引する

日本企業にとって、体質改善は緊急課題だ。景気の悪化、海外発の金融不安など、何が起きるか予測できない現在では、変化を察知したらスピーディに対応できる経営体質の確立が必要だ。しかし、こうした改革には痛みが伴うもの。それを乗り越えて実現しようという強い意志は、危機感または理想の希求から生まれるものだと飯田は考える。「このままでは、会社が潰れてしまうという実感が強いほど、改革への意欲は高くなりますが、それ以前に解決した方がよりベストです。“この理想・目標を達成したい。それには何をすべきか”というプラス指向は重要です。ところが、日本企業は、こうしたトップダウンからの改革には不慣れなケースが多いのです。また、改革の必要性を従業員が理解したとしても、何をすればよいのか、誰がするのかという地点で立ち止まりがちです。改革を具体的に推進できる人材がいないケースが多いのです。」異なる部門間で調整をし、最適の解を導き出すのは並大抵のことではないのだ。BPRプロジェクト経験者がどれだけ社内にいるのかが重要となるが、現実には圧倒的な人材不足が起きている。
「内部にいなければ、外部に人材を求めるほかありません。けれども、BPRは戦略の実行段階であるため、机上の理論ではなく、現場に入って具体的な改善案を出せるスキルが求められます。事業戦略と企業全体を見わたしながら、各部門でのBPRを可能にする…… これを社内の人材に求めることは難しいでしょう。JMACには開発、生産、販売、営業、本社機能などほとんどの部門についての専門家が所属しています。これら複数のスキルを組み合わせて最適解を提案することで、BPRを成功に導くことができるのです」

 

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