現場視点で感じる医薬業界の変化

2015年2月17日

確かに出てきている変化の実感

 みなさん、こんにちは。JMAC医薬業界担当プランナーの間野(まの)です。本コラムでは、毎日どこかの医薬企業におじゃましている医薬業界マニアの私が、お客さまの「生の声」をベースに、その時々のホットなテーマに合わせた医薬業界の情報を紹介していきます。

 これまでJMACでは多くの医薬企業を支援してきました(医薬業界ページ参照)。そもそも医薬業界とは縁が深く、戦後われわれが再出発するきっかけになったのも、某医薬企業からの依頼だったと聞いています。以降、各機能・部門の支援から全社プロジェクトの支援、経営戦略構築からその実行展開の支援など、幅広い領域を対象にしてきました。

 このように付き合いの深い医薬業界でしたが、直近の10年間だけでも相当な環境変化があり、私たちへの依頼も、実にさまざまな切り口からの内容になっています。中でもとくに耳にするのが各機能部門でのマネジメントに関する課題です。そこで、医薬業界の各機能を対象に「医薬企業マネジメント交流会」を立ち上げ、マネジメントについてディスカッションできるネットワークづくりと、業界共通の課題・悩みを共有する取組みも始めました(2011年〜、創薬研究、CMC、生産の3シリーズ)。日々の個別企業からの声、交流会からの声、これらを合わせることで、業界課題の全体像をイメージできるようになってきました。

 さて、レギュレーションやM&Aなど、環境変化については各種メディアなどでさまざまな情報が溢れていますので、ここでは詳しくは触れませんが、必ずぶつかる大きなキーワードは「グローバル」と「新薬の出にくさ」の2点です。つまるところ、これらへの「対応」と「挑戦」こそが、今の医薬企業を取り巻く激動の軸になっていると感じます。外部との連携強化やリソースのシフト、仕事量の増加などもこの「対応」に含まれるイメージです。交流会が発足した2010〜11年ごろは、各企業で経営層と現場の意識に大きなギャップがあると感じていました。それがここ数年でかなり埋まってきています。一方で歯車が噛み合ってきているかというと......多くの企業ではまだそこまで進んでいるわけではありませんが、少なくともミドルマネジメント層の意識はかなり変わってきていると感じています。

「外」の存在が「危機感」を生む

 ミドルマネジメント層の意識変化というのは、やや乱暴に言いかえれば「危機感」ということかもしれません。ではその危機感はどこからくるのでしょうか?―それはもちろん経営層を含む内部的な要因も盛りだくさんですが、1つには外部との関わりという視点があります。ネットワークとしての外部と、競争相手としての外部、いずれの側面でも外部の存在感は強くなる一方です。交流会で出てくるコメントをまとめていても、昨年度は外部を意識した発言が非常に多くなりました。

 現在のところ、外部コントロールにおける課題や悩みが圧倒的に多いのですが、自社のノウハウ・技術などの流出といった将来懸念や、競争相手としての外部の台頭についても話題に上がってきています。一方で外部活用は有効な選択肢であり、これからも増えていくでしょう。そんな状況の中で「うまくやる」ことが求められているのが現場であり、その現場を束ねるのがミドルマネジャーの使命であるわけです。ただでさえ多忙を極めるミドルマネジャーの肩に、「外」の存在がずっしりとのしかかってきます。これらが「危機感」の一端となり、表に現れてきているのだと思います。

ミドルマネジャーが変革エンジンになる!

 変化の実感ということで、ミドルマネジメント層の意識変化を話題にしていますが、これがさらに現場の担当者レベルに浸透しているかというと、まだまだギャップがあるのが現状です。これもミドルマネジャーの悩みとしてよく耳にします。これについては現場の実態と密接に関わってきますので、次の機会に機能ごとの特徴に触れながら紹介していきます。

 今回伝えたかったのは、ミドルマネジャーが医薬企業の変化を担うエンジンになっていくだろうということ、その兆し、あるいは実際の動きが顕著に出てきている、という点です。ミドルマネジャーに求められる役割も変化していく中で、どのように期待に応えていくのか、この点についても上記と合わせて今後触れていきます。

 JMACでは日々の個社とのお付き合いと、交流会で各社一堂に会しての情報交流を行っております。それらを通じて集積されている情報は多岐にわたります。このコラムを読んだ方の「関心どころ」に、少しでも当てはまるものがあるかもしれません。医薬業界の発展のために、いろいろな視点でディスカッションできれば幸いです。気軽にお問い合わせください。

(文責:チーフ・コンサルティングプランナー 間野 隆介)