TPM鉄則12:「悪さ」をする元を断つ―不具合のない設備を維持―

 清掃を一所懸命やっても、ゴミ・汚れの発生源の対策を取らなければ、結局は元に戻ってしまいます。そのためには、発生源対策と困難個所対策が必要です。

発生源・困難個所を突き止めよう!

 清掃はキレイにすることが目的ではありません。清掃を通して〝不具合の発見〟をすることです。また、汚れてから清掃するのではなく、汚さない・汚れない工夫をすることも大事です。ゴミ・汚れの発生源を断ち、飛散防止や清掃・点検・給油の困難個所を改善し、与えられた目標時間内で、誰でも簡単に、正確に、安全に清掃・点検・給油ができるようにしなければ設備の維持管理はできません。

 ある工場を訪ねたとき、通路など工場全体はキレイに清掃されていましたが、清掃をしても故障・不良は減らないとぼやいていました。調べてみると、清掃は外部に委託し、設備本体の清掃や発生源・困難個所対策はなされていませんでした。これでは、設備に対する関心も薄く、不具合の発見すらできません。みなさんの職場で、これに近いことはありませんか?

現象に手を打つのではなく原因に手を打て!

 設備をあるべき姿に保つには、清掃・点検・給油・ボルトナットの増締めなどを確実に実施し、設備の基本条件を保つ必要があります。しかし、この維持管理が「やりにくい」「時間がかかる」ようでは長続きしません。「元を断たなければダメ」なのです。
 改善の基本は、汚れたから清掃するという「現象(結果)に手を打つ」のではなく、なぜ、どこから汚れるのかの「原因に手を打ち、再発を防止する」ことです。たとえば下の図のような場合、
①漏れ・汚れの発生源を突き止めて改善する
②困難個所を改善して作業時間を短縮する
といった対策をすれば、不具合のない設備をラクに維持できます。

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個別改善“成果隊”が歌う「設備の7大ロス」 連載第1回