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HOME > 知恵ぶくろシリーズ > 業務改善の知恵ぶくろ > 第2回 標準化は見える化の基本


第2回 標準化は見える化の基本

業務改善における「標準化」の位置づけ


チーフ・コンサルタント
田村 健二

昨今、様々な企業で、業務の標準化の取組みがなされています。そして、同時にどのようにしたらうまく標準化を行うことができるのか悩んでいる企業が多いのも事実です。様々な企業が、高度経済成長下で大量生産に伴い、業務・製品の標準化を行うことで製品コスト削減・製品品質均一化を実現してきました。消費者のニーズが個別化している現在でも、なお企業における製品や業務の標準化は必要不可欠となっています。特に、労働市場が流動化し、経験年数や経歴の異なる労働者を有効活用していくためには、業務を標準化し、ある一定の業務品質や業務効率を維持することが求められています。

業務改善の段階

業務改善には大きく2つの段階があります(上図)。1つ目は、現状のルールや基準類をより良い姿に変えるという「仕組みの改善」です。そして、2つは現状のルールや基準類に対して逸脱している手順等の実態を是正するという「運用状態の改善」です。業務の標準化は、以上の双方の段階において、非常に重要な役割を果たします。

「仕組みの改善」を実施するためには、「ありたい状態」を明確にすることが必要となります。そして、「現在の状態」から「ありたい状態」に向かうための方策を立案し、実施することにより改善を実現させます。この場合、ありたい状態を、様々な要素で具体的に定義し、「標準化」することが必要となるのです。そうしなければ、現在の状態から、どのような状態かが明確になりません。

「運用状態の改善」を実施する際、運用上の問題を明確化させることが、改善の第一歩となります。また、問題は現状と何かを比較をしなければ明確化することはできません。そこで必要となってくるのが、「標準」です。「現在の状態」と「標準の状態」を比較して初めて問題が明らかになるのです。そして、標準どおりの業務を実施するための方法を検討し改善実施を行うことで、「運用状態の改善」を実現することができます。

標準化の実施上のポイント

標準化と一口に言っても、業務改善において標準化を行う対象は様々です。業務改善における標準化は、業務をつかさどる全ての要素に対して行うことが必要となります。業務をつかさどる要素とは、以下があげられます。

1.業務プロセス面 … 機能、IN/OUT、基準ルール類、方法、責任者、必要スキル、工数、期間 など
2.業務組織面 … 機能分担、管理階層、責任権限、管理スパン など

以上の要素に対して、標準の状態を定義することが業務の標準化ということになります。業務プロセス面であれば、標準の定義方法として、業務フローや業務体系表等の手法を用いて実施すると有効的に実施することが可能です。

「仕組みの改善」の際、標準化を行うためには、企業が営む事業特性・製品やサービス特性・業務特性を考慮することが必要となります。そして、事業や製品・サービスのタイプによってパターン化し、標準となる状態を定義することが重要となります。標準化を行う業務プロセスや組織は、事業や製品・サービスの特性によって、ありたい姿は異なるからです。例えば、大量生産によって在庫を持ちながら販売をするというタイプの製品と、受注生産で顧客の個別要求に対応する製品とでは、生産管理業務のありたい姿は異なります。在庫販売型の製品の生産管理業務では、製品の受注量見込みを予測し安全在庫の設定ルールを決めることが標準化を実施する際のポイントとなります。また、受注生産型の製品の生産管理業務では、顧客の要求仕様項目を標準化しておき、顧客の仕様を正しく・的確に社内に伝達することが標準化を行う上でのポイントとなります。このように、標準化を実施する際には、必ず事業や製品・サービスのタイプを定義することが非常に重要となるのです。

標準化の実施上の留意点

標準化を行うということは、ある一定のバラツキを排除すると、すなわち、あるパターンにおいて画一的な業務を実施するということに他なりません。そのため、製品やサービスの水準をある一定まで高めることはできても、卓越した水準レベルまで向上させることは非常に困難であるということを忘れてはいけません。とくに、サービス業における顧客対応業務は、標準化を行う範囲とそうでない範囲を明確に分けることが重要となります。

個別の判断によりサービスレベルを向上させることが可能な業務は、標準化を行わず、逆に大幅に権限委譲を行い、人に裁量権を与えることが有効な場合が多々あります。画一的なサービスを顧客に提供することが、事業の競争優位上非常に重要であれば、サービス提供業務の標準化範囲は狭めて、スタッフ業務を確実に標準化するというメリハリが必要となるのです。



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