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【第6回 開発設計技術革新に関する実態調査】

目次

調査の概要

調査結果の(一部)

1.過去3年間のR&D投資規模の推移
2.開発設計のおけるQCD実態
3.ソフトウェア開発上の問題点と改善手法
4.固有技術ををキーとしたアライアンス(相互技術供与などの企業間連携)状況
5.R&Dに期待されている重要な価値
6.組織的な革新活動の状況

本調査の背景と基本認識

提言(一部)

報告書発刊のご案内



調査の概要

1.調査の目的 
  本調査は、新製品開発機能の中核である開発設計部門における現状と課題、そして課題への対応状況などに
  ついて、アンケート調査を行うことによってその実態の把握を行う。また、その結果から、今後企業が革新を
  継続していくための課題について考察し、産業界へ向けて提言を行うものである。

2.調査の内容
  アンケート調査については、現状の開発設計の実態と捉えることと同時に、過去の調査(第1回1968年実施〜
  第5回1998年実施)との比較研究を行うことも考慮し、以下の内容にて実施した。

    (1) 会社及び事業所(事業部)概要と人数の実態
    (2) 技術部門を取り巻く環境変化と強化課題
    (3) 開発・設計の実態
    (4) 開発設計におけるQCD実態
    (5) 開発設計マネジメントの現状と課題
    (6) 現代の開発設計と取り巻く課題
    (7) 技術者教育制度の動向
    (8) 価値創造へ向けたRD&E革新
    (9) 組織的な技術革新
    (10) 組織的な革新活動

3.調査対象と調査方法
  本調査は、東京証券取引所第1部、第2部上場企業及び非上場企業のうち、製造業を中心に3010事業所を
  対象として実施した。調査方法は、2001年2月より3月までの期間において質問調査票を開発設計部門の
  責任者に郵送する方法にて行った。回収率は、8.7%であった。

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調査結果の(一部)

1.過去3年間のR&D投資規模の推移

 企業の成長が伸び悩む中、全体の約1/4の事業所がR&D投資規模を増加させており、R&Dへの期待の高さが
 うかがえる。

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2.開発設計のおけるQCD実態

 開発設計におけるQCD向上に対する要請は、QCDのどれを取っても、ほとんどの事業所で、年々厳しくなっていると答えている。中でも開発期間短縮に対する要請はトレンドで見た時に厳しさを増している。また、今後の重要施策は、QCDのどの軸をとっても先行開発のポイントが高い。

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3.ソフトウェア開発上の問題点と改善手法

 問題点としてソフトウェアの品質を上げている事業所が多い。また改善手法としては、開発工程の水準向上や外注活用を上げている事業所が多い。

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4.固有技術をキーとしたアライアンス(相互技術供与などの企業間連携)状況

 60.6%の事業所で、固有技術をキーとしたアライアンス(相互技術供与などの企業間連携)を行っているが、「提携先との品質などの基準が異なり、そのすり合わせや評価に予想以上に工数がかかる」、「提携先の探し方、選択基準がない。特定の人の人脈で提携している(最適な提携先かどうかは不明)」、「アライアンスを組んだ技術がブラックボックスのままで、自社にノウハウが残らない」などの問題を感じている。


                                                   (有効回答数N=229)

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5.R&Dに期待されている重要な価値

 現状の問題については、6つの価値創造革新領域とも同様な結果であり、約70%が「問題」または「やや問題」という回答であった。


                                                   (有効回答数N=253)

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6.組織的な革新活動の状況

 中期経営計画・方針管理等の満足度は高いが、一方で事業革新ビジョン・戦略アクション・俊敏組織づくり等への不満度が高い。

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本調査の背景と基本認識

 日本国内の製造業は、昨今の10年間、国内市場の飽和、低価格化の加速、グローバル競争の激化などの急速に変化する競争環境の中で、新しい方向性を模索してきた。
 そのような環境変化の中で、成長、発展を続ける企業とは、常に顧客を視点に、自社の技術、商品、サービスについて革新を続けている企業であろう。
 このような企業革新への努力は、日本の製造業がまさに、 “世界のモノ作り拠点”から、 “世界の価値革新・新価値創造拠点”へと21世紀へ向かってその産業構造を変革する時にいることを示している。そして、企業、事業の価値革新、新価値創造の中枢にいるのが、R&D(研究開発、製品開発、設計、技術)である。R&Dの価値革新、価値創造機能を高め、そのスピードを飛躍的に高めることこそ、21世紀の企業が、その企業価値を維持し高めることである。
 本調査は、このような基本意識に基づき、R&Dの価値革新機能、価値創造機能の強化、スピードアップを目指して、今後の企業のRD&Eの取り組むべき課題について提言を行っている。



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提言(一部)
 提言1:経営者は、顧客・技術・事業を創造する“開発経営”を推進する
 経営者の最も重要なミッションは、企業を存続させることであり、それは、新しい事業業を産み出し、また、既存の事業を成長事業へと変えていくことである。そのためには、「開発機能」を強化し、市場、顧客の開発能力、既存の顧客や新しい顧客に提供する技術の開発能力を高めていく、『開発経営』を推進する必要がある。
 提言2:R&Dを核にした、価値革新、価値創造型の事業運営を推進する 
 “Time to Market” ということが言われ、商品開発を上市までの期間で考え、その期間短縮を短くすることが唱えられている。しかし、単に商品開発期間を短くするだけでは、事業成果には結びつきにくい。
“Time to Customer’s Value” 顧客に価値が生み出すまでのスピードを早くする。顧客ニーズに俊敏に対応する。今後、そうした事業革新が求められてくる。そして、この事業革新は、マーケティング、営業、開発、製造、サービス、提携企業との連携した革新として推進することが不可欠である。
 提言3:R&D機能は、その経営貢献を目指して、従来の効率化から価値創造への
      マネジメントのパラダイムシフトを行う
 デジタル化の進展、IT革命に代表されるように事業環境は大きく変わってきた。従来の延長線上での商品・サービスの提供では事業の発展は覚束ない。今求められるのは価値創造のマネジメントである。
顧客への提供価値の増大、新たな事業機会の創出といったR&Dの直接成果による価値創造だけでなく、プロジェクトの戦略的運用による事業資源の最大化、他業種とのアライアンス等の事業構造革新といったR&Dの活動そのものにも価値創造が求められている。多面で多様な領域における価値創造である。
モノづくり革新は価値創造革新でもある。
 提言4:顧客提供価値の質を高め、価値革新のスピードアップを図るために源流型、CE型の
      開発へ、開発プロセスを革新する
 事業成長率や新製品売上比率、製品QCD目標の達成など製品開発の成果・貢献と、開発力(企画力・技術力・組織力・業務推進力)には正の相関がある。あらためて開発力の強化という原点に立つべきである。
 しかし、開発内部の問題が慢性化した結果、小手先では変えられない歪が内在しており、技術者一人ひとりおよび組織の技術力や活力、そして開発プロセス等、構造的見直しが必要である。開発・設計の部門長自らがリーダーシップを発揮し、開発革新のシナリオを提示、推進することが求められている。
 提言5:技術者およびそのチームは、社会、顧客の問題解決に使命感を持ち、
      そのための技術を自ら磨き続ける技術者集団を目指す
 開発力強化施策を実行する際に、その実行のカギを握っているのは、技術者たちである。そして、市場が飽和した中では、新しい技術を開発、商品化し、それによって新たな市場、顧客を開発する、技術者集団が求められている。そのような強い技術者(集団)構築のために、技術部門マネジメントと、技術者(集団)革新を進めていく必要がある。

報告書発刊のご案内

 本ページで紹介した内容を含め約56項目にわたる本調査の報告書を発行しております。
 
 『第6回開発設計技術革新に関する実態調査報告書』(2001年5月発刊)
  A4版 頒価 5,250円 (税込価格・送料別)
     
書籍申込書(PDF)

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株式会社日本能率協会コンサルティング (担当:植原 芽)
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