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第14号 【コラム】"スタートレック"に見る組織運営-イントロダクション

第14号 【コラム】"スタートレック"に見る組織運営-イントロダクション

2001年3月12日

世の中のさまざまな話題を材料に、人材マネジメントを考えていくHRコラム。当面は小説やドラマなど、虚構の世界を題材にしたいと思います。

バーチャル・リアリティが氾濫する現代社会は、虚構と現実が入り混じって構成されています。虚構は現実の人の行動に影響を与えます。虚構の意義は、社会に好影響を与えられるかどうか、で決まると言えるでしょう・・・という硬い話はやめにして、今回は米国のTVシリーズ「スタートレック」を取り上げます。まずは簡単に概要紹介から。

【スタートレック】

(1)2266年以降の宇宙を舞台に、惑星連邦の宇宙船「エンタープライズ」が未知の生命体との出会いを
   求めて旅をする物語 (毎回一話完結が基本)。

(2)フジテレビで第?シリーズ(The Next Generation)を放映中
   (木曜深夜・・・しかしカットされることも多い)。

   1.Star Trek:The Original Series    (1966年~1969年)

   2.Star Trek:The Next Generation  (1987年~)

   3.Star Trek:Deep Spac Nine     (1993年~)

   4.Star Trek:Voyager           (1995年~)

(3)惑星連邦は、異星人との平和的交流を進めようとしているが、好戦的な種族と出会い、戦闘せざるを得ない
   こともある。

(4)異なる文化を持つ生命体といかにコミュニケートするか・・・がスタートレックの重要なテーマ。

私は熱狂的なファンではありませんが、再放送されている第?シリーズが好きで時々見ています。以下はその主な登場人物です。

 ジャン・ルーク・ピカード大佐・・・エンタープライズの新艦長

 ウィリアム・ライカー中佐・・・副長(副長のことをナンバーワンといいます。)

 データ少佐・・・第ニ副長/科学士官 (アンドロイド:頭脳はコンピュータ、力は人間の数倍)

 ジョーディ・ラ・フォージュ中尉・・・機関士官(生まれつき目が見えず、かわりに「バイザー」という装置を
                    目にかけている。)

 ウォーフ中尉・・・保安士官(クリンゴン人:戦闘を大事にする誇り高き軍人。)

 ディアナ・トロイ・・・カウンセラー(ベータゾイド人:テレパシー能力を持つ。)

 ビバリー・クラッシャー・・・医務長(亡き夫がピカード艦長の元副長だった。
                      志願してエンタープライズへ。)

さて、エンタープライズは異星人との交流で様々な問題に直面しますが、興味深いのはその組織運営です。

1.専門家を束ねるマネジメント

(1)第ニ副長以下全員が科学士官、機関士官、保安士官、カウンセラー、医務長・・・など自分の専門領域を持っています。エンタープライズでは、艦長が各専門家の意見を聞いて意思決定を下します。艦長自身も幅広い知識と経験を有していますが、艦長の最も重要な任務は「意思決定そのもの」です。各機能ごとの専門家を生かしながら指揮官が意思決定し、組織的な問題解決を図る・・・という組織運営と言えます。

(2)各人は、自己の専門に関わる事項については、艦長に進言できます。特に医務長・カウンセラーへは、艦長以下全員が、一個人として相談に行き、助言をもらうのが当たり前になっています。

(3)上官の不在時は、「副長→第ニ副長・・・」と指揮官の序列順に艦長代理を務めます。上官の命令は絶対です(・・・が、ドラマとしては上官の不在時に個人判断で命令を無視する場合があります)。また、例え医務長やカウンセラーでも、序列上指揮を取らざるを得ない場合は、保安士官(戦闘面での専門家)でもその命令に従わなければなりません。

宇宙艦隊では指揮命令系統は極めて重要です。しかしこれは企業も同様でありましょう。先が見えない時ほど戦略的意思決定が業績を左右します。指揮官がどう的確な決断を下すか・・・スタートレックの組織運営は 「明快な組織行動原則に基づく意思決定モデル」 と見ることができます。

2.魅力的なキャラクター

スタートレックの魅力は、登場人物のキャラクターも大きなウェイトを占めています。 例えば、データ少佐はアンドロイドです。頭脳・肉体は人間よりはるかに優れています。人間と交流しながら「ジョーク的な言い回し」を覚え、口笛を練習し、さらには「感情」をも学ぼうとします。 そうした欲求は、人間のような情緒的な願望ではなく、情報と論理から導かれる結論としての目標・・・だろうと考えられます。

しかし、データは作品の中でこう言っているのです・・・・・・「わたしは実際、多くの点で人間より優れています。しかし・・・・・もしわたしが人間になれるなら、喜んでそれを捨てます。」

考えてみると、コンピュータとは貪欲に学ぶ存在と言えるでしょう。 コンピュータも人類の産物。高度な学習能力が人類の特長の一つだとすれば、コンピュータはその長所を確かに受け継いでいます(人間以上に?) データの悩みはアイデンティティ問題ですが、学ぼうとして止まないデータが、極めて「人間的な存在」に見えてくるのです。

以上、スタートレックの概要紹介でした。SFに関心がない方には申し訳ありませんが、次回はスタートレックのエピソードからHR的なテーマを取り上げ考察したいと思います。

(参考文献/ディヴィット・ジェロルド著/宇宙大作戦「ファーポイントでの遭遇」/ハヤカワ文庫)

(文責:伊藤 晃)


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