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企業価値を高めるロジスティクス機能を再構築する!
〜上がり続ける要求のハードル 今、物流に何が求められているのか?〜

小澤 勇夫
ロジスティクス革新センター センター長 シニア・コンサルタント

jmaceyes_ozawa_01p.jpg 企業にとって物流は必要不可欠な工程です。90年代以降、多くの企業はこの工程をアウトソーシングすることでコストダウンを図ってきました。しかし、ここ数年は輸配送能力の確保が困難な状況が進行しています。こうした状況の中で、物流分野の再評価・再構築をしようという動きが加速しています。企業を取り巻く経済環境の悪化に伴い、外部流出コストである"物流"のコストダウンを目指そうとしているのです。しかしながら、長らくアウトソーシングを行ってきたせいで、荷主である企業側には評価や改善、管理のノウハウが失われてしまったケースが非常に多く見受けられます。

 こうした課題の解決には、ロジスティクスの視点からの物流改革が必要です。経済の影響に加えて、製品ライフサイクルの短期化・多品種化の傾向は相変わらずです。荷物を受け取るお客様の要求レベルも高くなってきていますし、物流の各機能単体で最適化を図っても、企業として設定した目標を達成することは難しくなっています。

 単に「梱包材のコストを抑えましょう」などということではなく、物流の各機能を連携させ、どうやって全体の最適化を目指せばいいのかを考える必要があります。ここに焦点を当てたのが、ロジスティクスという考え方です。ロジスティクスの概念が注目されるようになってから20年ほど経ちます。企業にとって物流の業務改善は常に大きな課題であり、さまざまな物流機能を連携させ、最適化を図ることは、簡単に解決はできない難問だったといえます。

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ブラックボックス化した物流ノウハウを取り戻す

 物流のアウトソーシング化は、企業に一定のコストダウン効果をもたらしました。しかし、企業はそれによって別の課題に直面しています。たとえば、同業他社と比べてリードタイムを1日短くするとか、小ロットでも提供できるといった物流での付加価値をつけて、事業そのものの競争力向上を目指したいと考えている企業があるとします。ところが、アウトソーサー側である物流業者にはこうした要求に応える体制がなく、頼みたい企業自身が内部の生産部門や営業部門とどう連携したらよいのかわからないといった現象が起きていて、実際に困っているのです。

 この問題を解決するには、物流担当部門が原材料調達から製品の到着までの工程を管理する機能を取り戻し、どのような改善をすれば目標を達成できるのか、物流工程を再構築する必要があります。アウトソーシングへのリクエストは複雑・高度化していく方向にあるにもかかわらず、物流業務が企業にとってブラックボックス化している現実に注目すべきです。自社内の余力を物流分野で活用しようと考える企業も少なくないため、この点は大きな課題といえます。

 もっとも、アウトソーシング自体は今後も進行していくと想定されますから、すべてを任せるのではなく、業務の中身を見える形にする、見る機能を取り戻すことが重要になります。物流はすでに単に製品を運ぶだけでは完結しない業務になりつつあります。今後、荷主と物流業者の関係も変化していくと考えるべきです。

 ところが、企業によってはもっと初期の段階で困惑しているケースもあります。JMACでは、こうした相談にも柔軟に対応しています。「ここに課題を感じている」など、その企業がある程度問題点を把握しているときには、解決できる個別のノウハウを提供しています。一方、どうにかしたいが、どこから手をつければよいか、わからないというときには、問題点の切り分けから始めます。委託側として物流業者のプレゼンに同席し、評価・選定をするところからサポートすることも珍しくありません。

荷主と物流業者双方にメリットを! −現場主義だからこその解決策−

 実際にJMACへの依頼主は、荷主である企業または物流業者のどちらかです。そこで効果を発揮するのが、"2つの企業双方の立場でコンサルティングができる"というJMACならではの対応力です。というのも、JMACには製造業である荷主の業務改善と、物流業者の業務改善を同時に手がけるノウハウがあるからです。

 たとえば、物流業者だけにコストダウンを要求する方法では、それによる品質の低下など、長期的に見たときお客様にとってマイナスになることもあり得ます。どちらにとっても実現可能な改善案で、しかも最終的に企業目標を達成できるようなお手伝いをしなければなりません。

 また、JMACは物流業者側に直接コンサルティングをすることがあります。こうした場合、徹底した現場主義によって信頼を勝ち得る場面も多いのです。それはただ単に「現場に出向く」といった類いのものではありません。トラックの輸送実態を調べるときには、日報などの資料の数値だけで判断しないで、実際に配送トラックに同乗して実地で調査します。身体を動かす現場主義がJMACの特徴なのです。

 現場を知ったうえで動くというJMACの姿勢は、これだけはありません。荷主であるその企業が置かれている事業の環境、ものづくりの特性という実態に基づいて、どのようなステップを踏んで最終的なゴールにたどり着けばいいのか、自らの手を使って現場で実践もしながら実際に業務を行う方々と共に確認していきます。どこかのNo.1企業が行っているという単なるベンチマークを導入するのではなく、その企業にとっての実現可能な"あるべき姿"を描きます。JMACは、個々の企業の特性を踏まえ現実を見据えたコンサルティングを行うことをモットーにしているからです。

ロジスティクス管理・統制機能の再構築 −全体の最適化を目指す−

 物流を完全にアウトソーシングしている企業では、担当部門は窓口としてのみ機能しているケースが多いようです。実際の業務はブラックボックス化しているため、物流の担当者であってもどう改善すればよいのか、その糸口をつかめないでいます。まず、物流工程そのものを管理できる機能、それを部門内に再構築する必要があります。

 具体的には、①どのように物流全体の構造を変えていくべきかを考える企画の機能、②外部委託している部分を評価し問題点を検証する評価・分析の機能、③改善を検討して解決方法を物流業者に指示できる機能、④それを実現できる環境をつくる機能ーーを持つことです。これらは外部との関係において必要となる機能です。

 さらにロジスティクス改革では、荷主である企業内部の各機能をも再構築することがあります。これまで社内の各部門はそれぞれの生産性を独自に追求してきました。たとえば、製造業の企業を見てみましょう。生産部門は製品コストを下げるためロットを大きくします。しかし、これは在庫になるので、物流部門ではこの在庫を管理することになります。そして営業部門はサービスレベルを上げるために24時間以内に納品する、朝6時までに納品するといったことを決定します。そうすると、大量につくった在庫の保管をどうするのか、お客様にはどう納品すれば物流がもっともスムーズに流れ、かつ顧客満足度も上げることができるのか、そういうことを各部門間で調整しながら実現しいかなければなりません。こうした機能は、ロジスティクスを担う部門の役割と考えるべきです。製品がつくられてから販売されるまでの全体を見ることができる立場だからこそ、それらを可能にできるです。

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"新生"物流部門が可能にする新しい付加価値の創出とは

 ロジスティクスの管理・統制機能によって、コストダウンやサービスレベルの向上という課題に対して、企業は継続的に解決できるようになります。しかし、そこにあるのは、物流に求められる要求を単純にクリアできればよいという性質のものではないのです。ある製品を24時間で納品してほしいというお客様がいるとします。しかし、速いことが本当にお客様のためかというと、そうとばかりははいえない面もあります。その製品特性を考えたときに、48時間でも問題ないかもしれません。当然、24時間と48時間ではコストが大きく変わってきます。納品のサービスレベルは下がりますが、ローコストで提供する方がお客様にとっては結果的に良いという場合もあるのです。

 コストとサービスはトレードオフの関係にあり、市場状況などさまざまな環境要因によって変化します。その状況変化に対して、どのように対応すべきか、適切に判断しなければならないのです。判断材料は、物流分野を超えて営業や生産というその他の機能と連携することで見えるようになります。

 全体的な視野を持ち、かつ変化への対応力を持つーーこれが効果の"継続性"を生み出すことになるのです。このように、これまで役割や機能が曖昧だった物流部門のやるべきことをきちんと定義することで、企業は物流部門の重要性を認識し、より一層の活用を考えるようになるはずです。さらに、ロジスティクスの管理・統制機能を実行できる人材を育成するためのシナリオも明確になっていきます。

荷主と物流業者の関係が変わる! −「自発的改善」を目指す−

jmaceyes_ozawa_02p.jpg JMACがコンサルティングを行っていく中で、荷主である企業とアウトソーサーである物流業者の関係が良い変化を起こすことも多いのです。実は、物流業者の提供するサービスレベルには、それぞれかなりの違いがあります。

 これまでは依頼どおりの輸送だけで満足していた企業でも、物流業者に問題解決への自発的な提案を求める例が増えてきました。だが、そのギャップを埋めることは容易ではありません。お互いに、どう歩み寄ればいいのか、わからなくなっている事例は珍しくないのです。

 ここ10年で物流業者は以前よりも高いレベルの要求を受けるようになってきました。この流れは今後も強まっていくはずです。JMACでは、物流のことはわからない・製造のことはわからないという状態にある2社間に管理のための共通のベースをつくり、どういうコストにしたいか、中期的にはどうしていくのか、といったことをすり合わせていくようにしています。このときにKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定し、共通の物差しを持つことが重要です。最終的には、受け身だった物流業者が自発的にサービスの改善を提案して実行するなど、2社の関係が良い方向に変わることを目指すべきです。

 JMACには、あるメーカーから依頼を受けて物流部門の改善を行い、最終的にメーカーと物流業者からそれぞれ人材を出し合って、共同のロジスティクス部門を設立させたという実績もあります。両方の立場を理解し、2社の接点となれるJMACならではの事例です。

 また外部の客観的指標によって、社内ではできないことを可能にする例もあります。ある企業では、長年グループ内の物流業者と取引をしていました。コストやサービスレベルで課題があってもグループ会社なので、社内で取引停止を決断するのは、なかなか難しいという状況が続いていたのです。そこにJMACがコンサルティングとしてサポートに入り、物流業者の再選択を行いました。双方の物流業者を客観的に再評価・検討した末に、グループ外部の物流業者に決定したという事例です。これは誰が見ても納得できる物流業者を評価する指標がある第三者だからこその成果です。

経営戦略にもかかわる物流の本質 −ロジスティクス戦略が企業を変える−

 ロジスティクスによる戦略として、まずQCD(Quality、Cost、Delivery)の向上があります。もし、物流業務において同じ高いサービスレベルが提供されているようであれば、そこにQCDで差別化してもその効果は表に出にくいかもしれません。しかし、その業界内でレベルがばらついている状態で、圧倒的なQCDを提供できるのであれば、それは「戦略」といえるでしょう。さらに、"できるだけ早く"という、納期短縮への要求が圧倒的にあるという現状があって、できるだけ早く納品することでシェアを上げようとするのが、物流サービスの大勢となっています。そこへリードタイムは長いけれども低コストのサービスを提供し、シェアを上げるという考え方は、大きな構造の変化となります。他社と異なるサービスを提供するので、これもひとつの戦略といえます。

 このように戦略性が高まってくると、物流部門だけの話に収めておくことはできません。コンサルティングを進めるうえで、どうしても経営戦略・人事戦略専門のコンサルタントと共同して進めていく必要が出てきます。こうした事例では彼らと連携しながらプロジェクトを進行させていきます。複数の部門にわたるコンサルティングは、JMACの得意とするところですから、まずはご相談いただければと思います。

コンサルタントプロフィール

掲載一覧

ロジスティクス革新センター センター長 シニア・コンサルタント

小澤 勇夫

1989年 JMAC入社。生産・SCM領域におけるコンサルティング活動に従事。主要テーマは、経営戦略視点からの生産・SCMシステム構築支援、事業戦略視点からのリソースマネジメント改革(管理制度、アウトソーシング)支援、効率化視点からの機能別改革(輸配送設計、荷役作業設計、在庫管理、生産管理)支援など。近年は、「サプライチェーンのプラットフォーム構築」を提唱して、業界ごとの新しいインフラの仕組みを模索。共著に『物流改善ケーススタディ65』『続・物流改善ケーススタディ65』(いずれも日刊工業新聞社)、雑誌への寄稿も多数。

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