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タイムスタディー/時間研究(time study)

 タイムスタディーとは仕事の時間を正確に測定するための分析手法の一つで、もっとも伝統的な方法で広く普及し、世界中の工場で使われている。タイムスタディーでは、作業のサイクルを何回か繰り返して観測を行い、その作業を成し遂げるのにかかる時間を決定する。

 時間観測を行う機材は、一般的にはストップウォッチが用いられる。より正確に時間値を分析する場合は撮影機やVTR等を使って、コマ数から正確に時間値を分析する場合もある。

 タイムスタディーはストップウォッチを使うことで誰もができるなじみやすい手法であるが、一方で観測した作業について、「作業手順」や「速さ」を評価する必要がある。たとえば、まったく同じ作業を熟練者が行うのと、まだその作業に不慣れな作業者が行うのとでは、当然作業手順、動作、作業の速さが異なってくる。タイムスタディーを行う観測者は、単に作業時間を分析するだけでなく、作業手順の良し悪しや、作業の早さについて評価し、観測時間を適正な値に是正しなけれならない。

 この是正を「レーティング」という。たとえば、ある作業者の作業時間が10秒だったとする。しかし、標準の速さと比較するとその作業者のペースが80%(遅い)とみなされる場合、適正な時間値は8秒(10秒×80%)になる。タイムスタディーで時間観測を行う場合は、この「レーティング」という「標準の速さ」から観測時間を是正する技術が必要になる。

(文責:JMACコンサルタント  小田 哲)