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渡邉 聡
「製造業のサービス化」で事業成長を目指す

第8回 「製造業のサービス化」の進め方 —現状を踏まえてどのように検討するか—(1)

 これまで、製造業のサービスが目指すことやその方向性や考え方についてお話してきました。今回からは、その進め方についてお話ししていきます。

 わかりやすくするために、現状を踏まえてサービス化を検討するときに「対象とするビジネス・製品」と「目指す方向性」で分類して進め方を考えてみましょう(下図)。大きく3つに分けられます。

(1)対象ビジネス・製品が既存か新規かに関わらず、モノ起点でのサービス化を目指す場合
(2)既存のビジネス・製品を対象にサービス業としてのビジネスモデルを目指す場合
(3)新規のビジネス・製品でサービス業としてのビジネスモデルを目指す場合

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 まず今回は(1)からお話ししていきます。



(1)モノ起点でのサービス化を目指す場合

 モノ起点でのもっともダイナミックな顧客体験価値創出は、これまでになかった体験をもたらす製品開発だとお話ししてきました。これは、みなさんが計画的に継続して取り組まれていて、改めてお話しする必要はないと思いますので、ここでは取り上げないことにします。

 モノ起点でのサービス化で比較的取り組みやすいことは、顧客の製品利用場面に関与し、体験価値創出を目指すことです。これは既存の製品はもちろんのこと、新規の製品であっても取り組みやすいでしょう。これはB to Cや消費財ビジネスでは考えやすいことです。製品の最終形を顧客が利用するので、そこへの関与が新しいチャンスとなります。その考え方の一例をあげてお話しします(下図)。

col_watanabe_08_02.png

①自社の製品特性から、顧客の利用場面への働きかけの余地がないか考えてみる

・その製品の本質的な機能、最終的な利用目的をより実現するサポートができないか?
・使っていない機能を使うことで新しい体験を生み出すことができないか?
・一部の顧客が体験している価値を他の顧客へ広めることができないか?

 製品を売って終わり、あるいはそのアフターサービスや保証サービス的なことだけでなく、真に価値が創出される場面への関与を考えてみてください。



②顧客を観察してみる

 ①の一部の顧客が体験している価値の発見や自社の製品がどのように使われているのか、体験価値創出上の課題は何なのか、といったことを調査・観察してみてください。製品の開発や改良を目的としたグループインタビューや顧客観察はこれまでも数多くされていると思いますが、体験価値創出のサービスメニューを発想するという目的で顧客を調査・観察してみてください。



③サービスメニューの業績貢献を企画する

 ①②を通じてサービスメニューを考えることになりますが、そのときになんらかの形で業績貢献することを要素として検討してください。たとえば、 ・有料のサービス利用
・オプションや関連製品の購入につながる
・他者推奨や自身の継続利用・再購入が期待できる
といったことです。この視点を含め、企画実施の可否を検討してみてください。

 そして、②③での1つの視点として「現状のサービスで有償化できるものはないか」の検討があります。これが一番ベーシックな検討事項です。サービスの利用状況、サービス利用者の特性、サービスコスト、競合状況、将来のニーズ予測などの視点から検討し、これまで無償だったサービスメニューを有償化することを考えてみてください。



④サービスや体験の品質管理システムを設計する

 実際にサービスを実施していくには、さまざまなことを考えていかなくてはいけませんが、とくに重要となることの1つはサービスや体験をどうマネジメントするかということです。みなさんが製品について品質管理をされているように、サービスや顧客体験についても品質管理をすることが求められます。モノとは特性の違ったサービスというものをマネジメントするときポイントについては、本コラムの第3回をお読みください。

 生産財の場合は、エンドユーザーの体験価値創出に直接関わるのは難しいことが多いと思います。しかし、最終製品の一部であることは間違いないので、新しい体験価値をもたらすことからの発想は共通で使えるのではないでしょうか。また、新ビジネスや新製品について考える場合は、最初から設計することが可能なので、やりやすい面もあると言えます。

 次回は、「(2)既存のビジネス・製品を対象にサービス業としてのビジネスモデルを目指す場合」を取り上げます。

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