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生産・サプライチェーン
競争力あるサプライチェーンを持つ会社へ

競争力ある製造業が大切にしている要素とは

『生産技術者の未来』アンケートから見えた競争力向上に必要な要素

 一般社団法人日本能率協会が2014年秋に集計した『生産技術者の未来』というアンケートによると以下のことが示されていた。
 利益率が高い会社は生産技術部門の社内の位置づけや認知が高い。位置づけや認知が高い生産技術部門が重要としている活動要素は3つあり、1つは開発・設計部門と並行に設計活動をするコンカレントエンジニアリングに注力すること、2つ目はリスク回避や試行錯誤の低減のためにシミュレーションやICT技術を活用していること、そして3つ目は工法や設備などの生産技術開発の推進である。
 これらは生産技術部門の「三種の神器」ともいえる。このことをもう少し一般化して捉えてみよう。1つめのコンカレントエンジニアリングは部門を超えた協業ができている、2つ目の新しいツール類を積極活用は新しいものを取り入れて活用する組織・変化に対応できている、3つ目の生産技術開発は問題の解決を技術や工夫など人の思考力と挑戦で行っている、ということである。これは生産技術部門だけでなく会社経営全般にもつながる一般則ともとれる。
 その中でも「生産技術開発」が筆者としては興味深い。課題を技術で解決しているということである。コンサルティングという職種の特性からさまざまな企業と接することが多いが、たとえばコスト競争にしても新製品の上市にしても、技術で解決している会社は持続的に収益力が高く成長している。安易に外作化や海外生産・調達と労務費で解決した会社は今もあまり元気がない。もちろん各業界の競争環境にもよるが......。
 それでは新たな技術はどうやって生まれるのだろうか?―当たり前だが人の考える力とそのブレイクスルーである。このことは競争力ある企業を見ていると実感する。そうした企業に共通する特性は、高い目標を設定し達成までしつこく考え(方式を変えるなど)、しつこく行動することである。これらは、ものづくりのファンダメンタル(基礎的事項、根本的事項)ではないだろうか。逆に競争力のない会社はそれが弱く挑戦意欲も低く、残念な場合が多い。

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競争力あるものづくり企業はファンダメンタルを大切にする

 先にも述べたように競争力ある会社は、ファンダメンタルを大切にする。生産技術領域で競争力ある会社は、工場建設・工程設計時などで動線や工程の効率化に加え、製品設計や工法、生産方式も一段上の改革を展開していき、必ず一知恵入れている。逆に競争力が低い会社では、同様のケースでは動線や工程の効率化は世間レベルで工程の設備に至っては一般汎用設備を買って並べただけ、というエンジニアではなく手配師のような行動をとり、一知恵が入っていない。競合も買うことができる設備を平均レベルで使っていては競争力がなくなるのも当たり前である。
 この一知恵が考える力であり、ものづくりのファンダメンタルである。逆説的に述べるとこのファンダメンタルが乏しい企業の特性は、目標が低い・挑戦させない・考えさせない・ブレイクスルーさせる環境をつくらない(失敗を許容しない)・短期視点などが共通項であり、これらの要素の悪循環が回っていく。

今こそ、「ものづくり」ファンダメンタルの見直しとグランドデザインを

 ものづくりのファンダメンタル、とくに考える力を強くするには、ベーシックではあるが個々人の「問題解決力」を鍛錬することが必須である。ブレイクスルーする面々は必ず身についていると言える。これを知っている・できるというレベルから、その思考方法を実務で使い切ることで人が育っていく。そしてさらに高い課題に向かっていく。このような考える力を若年層から上位職まで身につけておくことが大切である。競争力が低い会社ほど、これらを「知っていること」で「できている」と勘違いしたり他社のマネに走ったりする傾向があるので、ものづくりのファンダメンタルを客観的に評価してみるとよい。
 また、昨今ドイツの国策でもある「インダストリー4.0」が話題であるが、これらに対応するにも、ものづくりの力が強いことが競争力となる。前述のファンダメンタルを見直して高めるとともに、ものづくりを広く捉え、製品設計と工程のあり方、そして10年先のICTの使い方を見据えてグランドデザインを描くことが、再び日本の製造業には必要である。このグランドデザインで未来を自ら創る企業が、次なる成長を獲得できるのである。

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(文責:シニア・コンサルタント 石田 秀夫)


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