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メガFTA/EPAを活用してビジネス革新・戦略立案を検討する

 TPPの締結に関する議論、ホットな市場であるASEANでのAECの締結など、FTA/EPAに関わるニュースがマスコミを賑わせています。

 また、企業の将来戦略を立案するにあたり、FTA/EPAが重要なインプットとなってきています。

FTAとは「自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)」のことで、特定の国や地域間で、物品の関税やサービス貿易の障壁などを削減・撤廃する協定です。比較的大きな地域間でのFTAをメガFTAと呼びます。この例として、TPP:Trans-Pacific Partnership/環太平洋経済連携協定、AEC:ASEAN Economic Communityがあげられます。

 EPAとは、「経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)/FTAを柱に、ヒト、モノ、カネの移動の自由化、円滑化を図り、幅広い経済関係の強化を図る協定のことです(下図)。

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 日本はこれまで20ヵ国との16の経済連携協定(EPA)を発効済・署名済です。発効済・署名済EPA相手国との貿易が貿易総額に占める割合は39.5%(比較

 米:47.4%、韓:67.4%、EU:29.8%)、発効済・署名済EPAに加えて交渉中EPA相手国との貿易が貿易総額に占める割合は85.0%となっています。『日本再興戦略』では2018年までにFTA比率を70%に引き上げることを政策目標としています(外務省資料より)。

(メガ)FTA/EPAによるメリットとリスク

 一般的に言われている(メガ)FTA/EPAによるメリットを下表にまとめておきます。

一般的に言われている(メガ)FTA/EPAによるメリット
メリット
①国内で調達が難しいものを安価で調達可能 ・石油、鉄鉱石など
②途上国の貿易黒字化の経済サポート ・コーヒー、レアメタル
③比較優位により生産を効率化できる ・国内の改善、業務効率化加速
④新マーケットの創出 ・新興国への輸出拡大
⑤これまで入手難であった資本財(機械、設備、材料)などの輸入で技術波及効果を保有できる ・デバイス、設備、軍事製品など
⑥輸入品との競争で産業内の新陳代謝が高まる(メリッツ効果:業界内にさまざまな生産性を持つ生産者が存在すること) ・和牛と米国産牛の競争
⑦安価な輸入商品を購入でき、消費者利益となる ・中国製品の入手
⑧国際的な分業の活用による経済成長率の向上 ・新興国への製造委託
⑨国際競争の圧力で国内の独占や寡占を牽制 ・規制緩和

 もっとも大きなメリットは輸出入時の関税削減・撤廃とそれに伴う市場拡大、関係国との連携強化と言われています。しかし、このような協定はいい部分だけでなく、下記のようなリスク、デメリットも生じます。

・せっかく関税がなくなったとしても、価格の主導権を売り手に握られる
・将来的には工場の新興国への移転が加速する
・技術力、価格競争力がない企業・業界の弱体化
・技術の流出、技術力の低下
・守られてきた業界の弱体化

 したがって、リスク対策を中期計画・戦略に盛り込む必要があります。また、施策としてはたとえば、 ・技術流出しないための人材育成
・価格競争力強化活動
・業界をあげての生き残り活動
といったことも考える必要があります。

FTA/EPAを効果的に活用するポイントと事例

 FTA/EPAを効果的に活用するポイントとして、 ・ターゲットとなるマーケットに対し、関税、ロジスティクス費用をミニマムにする拠点設計(自社内)
・自社のリソースだけでなく、協業のスキル、リソースも活用しながら、関税、ロジスティクス費用および進出費用をミニマムにする連携体制設計(協業)
・各国の得意な調達品・資材を考慮した拠点設計(スケールメリットの活用)
・今後の段階的関税撤廃を見据えたビジネス計画と人材育成(将来を見据えた推進計画)
といったことがあげられます。

 さまざまな企業がこのような取組みを開始していますが、もっとも効果的に活用しているのは、アップル社と言われています。アップルは機器(たとえばiPhoneなど)の商品企画、構想・基本設計はアメリカ本社で行い、詳細設計は台湾のHonhai/Foxconn社、部品は日本、韓国、台湾、タイ、カンボジアなどから調達し、最終的に中国の工場で組み立て、深圳から出荷していると言われています。このような国際間取引をできるだけ安く、早く、効果的に実践するために、FTA/EPAおよび各国の経済特区を活用していると思われます(下図)。

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 今後、賃金差も含めた真の公正な競争社会がやってきます。それを見越して、 ・メガFTA/EPAを活用した国際的な効率的分業生産、ビジネスネットワークの発展計画の立案
・FTA/EPAなどの最新情報、将来動向を見据え、事業戦略、グローバル戦略に織り込む/修正する
・ビジネス・チャンスとリスクを常に見据える
・グローバル人材の継続的育成と確保
といったことを考える必要があります。

(文責:野元伸一郎 シニア・コンサルタント)

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